1)もうすぐ予定日ですので、お腹の張り(=子宮収縮)が頻繁になって
きます。赤ちゃんは子宮頚管を通って生まれますので、頚管が開かない
と生まれません(帝王切開は別です)。子宮頚管は「元々柔らかく開きや
すい方」と「硬くて開きにくい方」がいます。子宮頚管は子宮収縮の圧
力と赤ちゃんの頭の下がりぐあいによって開きます。赤ちゃんの頭が下
がって子宮頚管が薄くなった(=頚管の長さが短くなった)場合には頚管は
開きやすく、頭の下がりが悪く子宮頚管が厚い(=頚管が長い)場合は開き
にくくなります(また子宮頚管は初産婦で開きにくく年齢が高くなると更
に開きにくくなります)。
2)子宮収縮が10分毎(1時間に6回)で陣痛といい、それ以外が前駆陣痛で
すが、1時間に6回あっても子宮口が開かないで消える陣痛を前駆陣痛と
するDrもいます。子宮口が柔らかい方は前駆陣痛で子宮口が開き、その
まま陣痛に移行しますが、子宮口が硬いと前駆陣痛は消えてしまいます
。そして数回の前駆陣痛でゆっくりと子宮口が開いてきます。その時に
内診の指で子宮口を広げるとお産までの経過が早く進みます。特に初産
の方は子宮頚管が開く時には痛みがあります。つまり陣痛で開く時も痛
いし(=子宮収縮の痛み+子宮頚管が開く痛み)、内診で広げる時も頚管が
痛いのです。
3)子宮収縮は上の方から始まって全体に広がります。前駆陣痛では上の
方だけ局所的に収縮が来る場合もあります。そうすると収縮の圧力が子
宮口の一点に向かいませんので子宮口はあまり開きません。赤ちゃんの
頭は多少下がると思います。その内に(予定日が近付くと)子宮収縮が協
調(synchronized)して子宮全体が収縮するようになります。
4)予定日前には内診の指で子宮頚管を刺激する(指で広げる/or指で卵膜
を剥離する)方法をよくします。かなり痛いですが、何もしないと陣痛で
痛む時間(分娩時間)が長くなったり陣痛が始まっても子宮口が開かず帝
王切開になったりします。予定日を過ぎても子宮口が開かない場合には
バルーンを入れます。
5)初めての出産のようですね。頑張って下さい。
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