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Re: No.[616]
投稿者:さのウィメンズクリニック 投稿時間:2008/06/16 [月曜日] 18:09:56
 カンジダは皮膚に常在している真菌(カビの仲間:水虫の親戚)です。
「発病」した状態と「常在」した状態があります。皮膚の表面に付着し
た後は(繁殖)条件が良いと菌糸(偽菌糸)や胞子(偽胞子)を出して皮膚の
中に侵入します。真皮層の周囲に発育して感染病巣を作って、「かゆみ
」症状や「いたみ(ヒリヒリ)」症状がでると「発病」です。カンジダが
皮膚に付着しだけであったり、真皮層に偽胞子が生存しているだけの状
態では「無症状」なので「常在」です。正常な膣内には乳酸菌(ラクトバ
チルス属)がいて膣内を酸性にして「カンジダの発病」を防いでいます(
培養検査をするとカンジダとラクトバチルスが同時に出る方もよく見か
けます)。当院ではオキシコナゾール膣錠(V600)を1週間に1回(すぐに薬
が出て膣内から無くなってしまう方には週に2回)入れて、月経の前後を
含めて通常は約4週間(3,4回〜5,6回ぐらい)治療します。その間はクリー
ムを毎日2〜3回塗布させます(10gのクリームを2週間に1本程度塗布)。
 カンジダを繰り返す方には、次ぎの4通りが考えられます。
1)再燃:カンジダ菌が膣や外陰に常在していて、膣内の雑菌の繁殖や抗
生剤の服用で乳酸菌が減少し、膣内が弱酸性になったために、カンジダ
が再増殖して発病します。雑菌(+)の方にはクロマイ膣錠+カンジダ膣錠
を併用したり、カンジダ治療をしながら抗生剤の内服を併用します。「
常在」状態では「培養検査」でも「顕微鏡検査」でも「カンジダ菌」を
検出できないと思います(当院では治った=症状が消えた後の検査はした
事がありませんが、検査してもおそらく陰性でしょう)。
2)自己感染:身体の他の部位(皮膚や腸管など)に常在したカンジダが膣
や外陰に侵入して発病する可能性があります。再燃と同じく「発病」と
「常在」の状態があります。
3)再感染:パートナーの皮膚やペニスや陰嚢にカンジダが「常在(また
は発病)」していて性行為の際に感染する可能性があります。性行為の前
に局部をよく洗う(発病であればクリームを2,3週間塗布する)事で感染が
予防可能と考えられます。
4)糖尿病や免疫不全があり、局所の免疫能力が低下している。
 *可能性としては1)の「再燃」や4)の免疫低下が考えられます。糖
尿病や免疫不全がないのであれば、膣錠と治療期間の変更を相談してみ
てはどうでしょうか。



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