産婦人科で何を診てもらうのか


 多くの女性が、生理(=月経)以外の出血があり心配な時・おりものが多く痒みや痛みがある時・下腹や腰が痛く子宮か卵巣の痛みかと思った時・妊娠したと思った時・などに産婦人科を受診します。外科や内科などには健康な女性はほとんど受診しませんが、産婦人科は健康な女性が受診する診療科という特徴があります。なぜなら健康な女性の約8割が妊娠を機会に産婦人科を受診するからです。私たち産婦人科医は、妊娠による受診を女性が健診を受ける最も良い機会だと考えるように教育を受けました(なぜなら多くの未婚女性は症状が強くなったり長引いたりしてはじめて産婦人科を受診するからです)。私たちはそのような受診の機会を大事にし、異常を見のがさないように診察する訓練を受けています。そのため初めて受診した方には特に注意して、産婦人科領域では、膣内やおりものの異常の有無・子宮や卵巣の異常の有無・子宮癌の検診(スメアテスト)などをチェックしますし、産婦人科以外の領域の疾患がないかも問診や診察で注意します。

 私たちが医者になったばかりの頃は、超音波診断装置は開発中で、子宮や卵巣の異常を診断する方法は内診(触診)が主でした。先輩医師が内診で数個の1cm以下の筋腫まで見つけ外来診療録(カルテ)に記載があり、手術時にそれが確認され、自分もそのような内診の技術が身に付くだろうかと心配したものです。
 ところがその後、超音波診断が目覚ましく発達し、今では経膣(ちつ)超音波を使えば、正常な子宮、正常な子宮内膜の状態、正常卵巣やどちらの側の卵巣から排卵したかも判るようになりました(ただし月経がなくなった閉経後の女性の多くは卵巣が見えない)。つまり以前は内診や経腹超音波で異常な所見がなければ正常と診断していたのに、最近は多くの場合、正常な子宮/正常な子宮内膜/正常な卵巣を確認して異常が無いと言えるようになったのです。だからと言って内診が不要になったわけではありません。子宮癌の診断には内診が重要です。下腹部の痛みがある方場合は、痛みの部位が子宮か卵管や卵巣かの区別は内診でないと判りません。また、初期の子宮内膜症は直腸診(肛門からの診察)でないと判らないこともあります。初診時に見落としがないような診察をする。これは、単なる頭痛で内科を受診した際にも血圧測定や肺や心臓の聴診のどを受けるのと同じ考えかたなのです。
 
婦人科の診察台に上がりたくない場合はその旨を【最初に】おっしゃって下さい。精度は落ちますが代用の方法で診察することもできます。

症状に戻る

トップへ戻る

ホームへ戻る